相続が発生したら
身近な方が亡くなると、様々な対応が必要になり慌ててしまうことも少なくありません。
相続をスムーズに行うには、大きなポイントが3つあります。
ここでは、「相続が発生したら」どうすればよいのかご説明します。
目次
身近な人の死亡後に必要な手続きの流れ
まずは死亡後の手続きの全体像を把握しておきましょう。
一般的に必要になる手続き・届け出とそのタイムスケジュールは以下の図の通りです。
死亡後の手続きの流れ(クリックで画像が拡大します)
このうち
- 健康保険の資格喪失届(会社員等の健康保険は亡くなってから5日以内、国民健康保険は14日以内)
- 世帯主変更届(亡くなってから14日以内)
- 相続放棄(亡くなってから3か月以内)
- 亡くなった方の所得税の準確定申告(亡くなってから4か月以内)
- 相続税の申告(亡くなってから10か月以内)
については手続きの期限が定められているので、期限内に終了するようにスケジュールを組んでいきましょう。
その他の手続きについては特に期限の定めのないものや、期限に余裕のあるものが多いですが、長い間手続きをしないことで不利益を被る可能性もあるので、できるだけすみやかに終わらせるようにしましょう。
目安としては、
- 初七日が終わって少し落ち着いてから、公共料金などの各種変更・解約手続きおよび年金・生命保険関係の手続きを行う。
- 亡くなってから2か月後ぐらいまでには、遺産を引き継ぐ手続きの前提となる相続人及び相続財産の調査を終了させる。
- 亡くなってから半年~8か月後ぐらいまでに遺産分割協議を終了させる。
- その後、遺産分割協議(または遺言)に従って、不動産の名義変更や預貯金の解約払い戻しなどの遺産相続手続き、必要に応じて相続税の申告手続きを行う。
と言ったところです。
もちろんあくまで目安なので、個々の事情によって優先させるべき手続きは異なる場合もあります。手続きの進め方について不安な方や、お急ぎの方は専門家へのご相談をおすすめします。
遺産相続手続きの流れ
次に、死亡後に必要な手続きの中でも、一般の方にとってもっともわかりにくいと思われる遺産相続手続きについてもう少し詳しくまとめました。
遺産相続手続きの流れは以下の図の通りです。
相続手続きの流れ(クリックで画像が拡大します)
自分で相続手続きをするのは大変?
相続手続きはもちろんすべて自分で行うこともできます。今このページをご覧の方もご自身で手続きをされている・しようとしているかもしれません。確かに今はインターネットや書籍などで相続についての情報はたくさん収集できるので、初めての方でも手際よく進めることは不可能ではないでしょう。しかしいざ自分で手続きを始めてみるとネットや書籍の知識だけでは上手くいかないことも多いものです。
以下、お客様が実際に遭遇した困った事例を少し挙げます。
- 自分で戸籍を集め始めたものの、故人の分だけで10通以上になり、とても相続人全員の分は集めきれないと思った。
- 取り寄せた古い戸籍が手書きで、読めなかった。
- わざわざ平日昼間に仕事を休んで法務局に行ったのに、専門用語で説明されて理解できず、結局司法書士への相談を勧められた。
- 遺言書があったので、それで手続きを進めようとしたら銀行でも法務局でもできないと言われた。
- 他の相続人は遠方にいてほとんど面識がないため、遺産分割について話し合いを進めるのが難しい。
- 銀行に故人の預金についての手続きを問い合わせたら、いきなり口座を凍結されて生活費が引き出せず困った。
このような事は決して珍しいケースではありません。戸籍の収集や解読は慣れていないととても時間がかかります。法務局や銀行は平日の昼間に行く必要がありますし、場合によってはかなり待たされることもあります。せっかく集めた書類に不備があればまた煩雑なやり取りをしなくてはいけません。自分で全ての手続を行おうとするとかなりの時間と労力を費やす覚悟は必要でしょう。
遺産相続でトラブルになりやすい3つのポイント
誰に(相続人と相続分)
・誰が相続人になるのか?
・自分はどのくらい相続できるのか?
・相続人間の不公平を調整するには?
>> 詳しくは、法定相続と相続人をご覧ください。
何を(遺産)
・何が遺産になるのか?
・遺産の評価の方法は?
・借金がある場合はどうなるのか?
>> 詳しくは遺産の分類と相続方法をご覧ください。
どう分けるか?(遺産相続の方法)
・どのような分け方があるのか?
・自分にはどの分け方がよいのか?
>> 詳しくは遺産分割協議の種類をご覧ください。
では相続についての相談は誰にすればいいの?
自分一人で手続するのは難しそうなので専門家に相談したい、でも専門家と言っても弁護士、税理士、司法書士、行政書士と色々いて誰に相談したらいいかわからない・・・せっかく相談しようとしても今度はこのような悩みが出てくるかもしれません。
もちろん相続税のことは税理士に、争いごとは弁護士にというのは皆さんご存知かもしれませんが、多くの方は相続税も争いごとも関係ありません。でもよくわからなくて不安だから色々な手続きのことについて聞きたい。それぞれ別々に探すのは面倒くさいし、まとめて聞けたらいいのに・・・実際のところ、このようにお考えの方も多いのではないでしょうか。
そこで私が最初の相談先としてお勧めするのは『司法書士』です。もちろん当事務所が司法書士事務所であるという理由だけではありません。
私がおすすめする理由は次の通りです。
- 専門家に相続手続きを依頼する方の大半は不動産についての手続きが必要であるが、司法書士は不動産手続きの専門家である。
- 家庭裁判所での手続きが必要な場合も書類提出の代行が可能なため、相続手続き全般についてアドバイスが可能である。
- 相続を主要業務とする事務所であれば、業務の性質上、税理士や弁護士などの他士業とのつながりが強い。
- 費用が高くなり過ぎない。
『相続税の申告をお願いしたい』『遺産分割について揉めていて収拾がつかない』というようにはじめから依頼したいことが明確な場合を除いて、まずは司法書士に相談してみてはいかがでしょうか。
ただし司法書士事務所の中には、相続については『相続登記』しか扱っていないという事務所もありますので、相続手続きについて総合的にサポートしてほしい方は相続に特化した事務所を選ぶようにしましょう。
当事務所は個人のお客様を中心とした、相続全般を専門とする事務所です。面倒な相続手続きを『まるごとおまかせ』できるプランなどのご用意もございますのでお気軽にお問い合わせください。ご依頼を検討中の方のご相談は無料です。
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